『ハチ公の最後の恋人』吉本ばなな

妹の本棚から拝借して読み始めたら、すっかり「ばななワールド」にはまってしまいました。
そう言えば、若いときに、ばななさんの作品を何冊も読んだ記憶があります。

ハチ公の最後の恋人 (中公文庫)

ハチ公の最後の恋人 (中公文庫)

「嫌いな人がいたら、好きになるところまで離れればいいのよ。」
「どういうこと?」
「この世には分かり合えない人がいるじゃない?どうやったって。逆立ちしたってだめな人。」
「うん。」
「でも、その人も死ぬでしょ?同じように、怒ったり泣いたり、人を好きになったりして、死ぬでしょ?そう思うと許そうと思ったり、嫌えなかったりするでしょ?それって、遠くから見ていることになるの。青い空の上から見ているみたいに。光や雲がきれいだと、その人もきれいに見えて、風がいい感じだと、許すでしょ?まあまあ好きになるでしょ?」
中略
「離れるしかないの。問題は、心の中に入ってきてしまった場合。でも、できれば入れないで、距離をとるのがいいの。本当だよ。」
「本当だね。」
ハチ公の最後の恋人より)
とても印象に残った文章だったので、紹介してみました。小品なので、1日で読めますよ。