8月27日まで新橋演舞場において『幕末純情伝〜竜馬を斬った女』作・演出つかこうへいに2年前からファンになった若林ケンさんが出演されています。

岸田今日子さん主演の「今日子」、初演「幕末純情伝」阿部寛主演「熱海殺人事件モンテカルロ・イルージョン」など20年に渡り、つか氏に熱望され出演なさっています。

ケンさんの今回の役どころは「勝海舟
台詞は全くなく歌だけの出演ですが、作品をキュッと締める効果的な使われ方がされていて、ケンさんの歌もつか氏の作品も相乗効果でグンと魅力を増しているように思います。
ケンさんが歌う曲は「なぜか上海」「百万本のバラ」そして阿久悠氏の最後の作品嘆きの天使
今日は「なぜか上海」をご紹介しますね。

嘆きの天使」は橘大五郎さんが演じる「鬼畜丸」の終焉の場面でinstrumentalから入り、涙を誘うあたりでケンさんが登場し、むせび泣くような声で歌いあげるものですから、もう会場は水を打ったようにシーンと静まり返ります。
この場面でのケンさんと大五郎さんのコラボは最高にいいです。

今回の「幕末純情伝」キャストも豪華絢爛、主役:沖田総司坂本竜馬石原さとみさんと真琴つばささん。他にも山崎銀之丞さん、吉沢悠さん、矢部太郎さん、コンボイにも出演されている舘形比呂一さん、そして多くのつかこうへい劇団の方々。

客席、ロビーにはこの役者たちのファンの方々がたくさんいらっしゃって、それぞれの思いを語り合っています。
実は、ロビーに「若林ケンコーナー」がありましてCDも販売されているんですよ。
その前で多くの方が
『この人だよ、さっきの歌』『さっきの歌よかったよね。どのCDかしら?』
と立ち止まって話していました。何だか、ケンさんファンとしてはドキドキしちゃいますね。

さて、劇について・・・
これが、感性の鈍い私は1回見ただけじゃ「あれ?わからない!」状態でございました。何分、はじめてのつかこうへい作品ですから仕方がないと自分で自分を納得させておりましたが、「何か気持ちが悪い!もう1回観てみよう」と3階席で再チャレンジいたしました。
ケンさん曰く
『奇想天外で、史実を知っているだけでは理解できない「つかワールド」だけに、慣れない方にはちょっとついていけないところがあると思いますが、「つか作品」の最大の魅力である「愛と優しさ」を感じながら、何度も見てください。そうすれば、きっと泣けるまでの自分を発見できると思います」(パンフレットより)とのこと。
確かに、セリフのあちらこちらに「つか氏の心の奥底に隠れている優しさや愛に対する考え方、そしてこの国に対する思い」が見え隠れしています。
人間、一人一人が抱えている苦悩に真摯に対峙し、そして人を愛す!心底愛す!それが大切なんだよ!と言っているように感じました。
しかし、正直、まだ「つかテンポ」には乗り遅れております。修行が足りませんな!(笑)もしや、これは「分からないから又観たくなる」という一種の甘い罠かもしれませんね(1回で嵌った場合は、もっともっと欲しくなる病にかしらw)